【ええやん リハビリ】第一回 ある日突然、脳出血。/ 社納葉子さん寄稿ブログ

2026.04.05

このブログは、女性作家社納葉子さんが当施設へ寄稿くださったものです。

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2022年1月29日という日付は一生忘れないと思う。

この日のお昼前、私は自宅で倒れた。左視床下部の脳出血だった。

 

右半身麻痺と重度の感覚障害という後遺症を得て(返せるもんなら返したい)、

「障害者」としての人生が始まった。

 

脳梗塞大阪の所長、三浦教一さんと出会ったのは、

急性期病院から転院したリハビリ病院の病棟である。

 

発症直後は「何がなんでも全快して、元の生活に戻るねん!」

と鼻息荒くリハビリに邁進していた私だが、

次第に現実を知ることになる。

・・・

脳疾患の後遺症は、人の数だけ違う。

たとえ同じ部位に発症しても出血量や範囲によって影響の受け方が違うから。

私の発症を知った人たちからは、

自分の身内や知り合いが軽い後遺症で済んだ話や劇的に回復し社会復帰した話がいくつも届き、

私は藁にもすがる思いでそうした物語に自分を重ねた。

 

でも、担当の理学療法士さんや作業療法士さんは

「この病気の回復に奇跡はありません。

ひたすら地道なリハビリの先にしか回復はありません。

それもどこまで回復するかは誰にもわかりません」と言う。

私はすっかり意気消沈し、落ち込んだ。

「元の生活」だけが目標だったし、

それ以外の生活や人生なんて想像もできなかった。

ある朝、ついにパニック発作を起こし、

わんわんと声をあげて泣いた。

 

57歳のおばちゃんが。

おばちゃんかて泣きたくなるねん。

泣きたいねん。泣くしかない時もあるねん。

ーーこんな体で、どないして生きていったらええのん。

切なすぎる57歳の春だった。

 

つづく

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